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あれよ星屑

あれよ星屑

「あれよ星屑」(山田参助)

月刊コミックビーム連載中作品、死に損なった男たちの東京焼け跡グラフィティ。

ということでねようやくの紹介なんですが、この作品が面白いらしいというのは前々から耳にしていました。実際読むまでどういう作品なのか知らないままに読んだのですが、この作品評判通りの読み応えある一作でした。まず帯に書かれた文章に興味をそそられます。

焦土の首都、闇市、パンパン、進駐軍・・・・・・。かつて死線を共にした川島徳太郎と黒田門松は、敗戦直後の「影の時代」を生きていく・・・・・・。

戦中作品は他にもいくつか読んだことがあると思うのですが、これだけ当時の空気・・いや匂い(臭い)を感じさせる作品は中々ないと思います。もちろん実際どうだったのかは分かりませんが、何となくこんな感じだったんじゃないかという戦後の泥臭さを体感できます。その泥臭さっていうのも微妙な感じで単に気分の悪いものばかりでなく、どこかアッケラカンとした不思議な解放感(温かみ?)すら感じさせます。なんにもなくなると人の本質が浮かんでくるということなのかな・・

 

さて前置きはこの辺にしておいて、紹介に移りましょう。

今回は第一話を簡単に見ていきたいと思います。それではレッツ戦後のドタバタ!

あれよ星屑(2)

あれよ星屑(3)

主人公の一人である黒田門松は、元陸軍第三分隊の一等兵。

気は優しくて力もち(喧嘩っ早い)

あれよ星屑(4)

一方もう一人の主人公である川島徳太郎。

元陸軍第三分隊隊長(中隊一の昼行灯)現在酒浸りの毎日。

あれよ星屑(5)

かなりやさぐれていますが、周囲の人たちに助けられどうにか生きています。一方再び黒田門松ですが・・

あれよ星屑(6)

闇市を無一文でぶらついています。

そしてある雑炊屋で立ち止まる黒田。そこでたまらず一声!

 

黒田「お 俺にも一杯くれい」

 

でも無銭無職なので当然・・

あれよ星屑(7)

怒られます^^;

 

黒田「払えったってない袖は振れねえ」

店の者「開き直りやがったなこんにゃろう」

「それで通りゃ苦労はねえってんだ すっとこどっこい」

 

で、結局・・

あれよ星屑(8)

拳で語り合うことにw

見た目からも分かりますが強いです^^

 

さてそんなもめ事を聞いて駆け付けたのが川島徳太郎。

 

川島「やめんか門松ゥ」

 

「ここは俺ン店だ 壊さんでくれんか」

 

黒田「か・・・・・・」

あれよ星屑(9)

ここでようやく二人が出会います。

懐かしみながら今までの経緯を話す黒田。黒田の話によると、宮古島から浦賀そしてここ東京へと知り合いを探しに来たようですが、道中荷物を盗まれ困っていたのだとか。ひと通り話を終えた二人は戦後の東京を歩きます。

あれよ星屑(10)

あれよ星屑(11)

でも、黒田は互いに生きのびて日本でこうして会えたことを喜んでいます。

ですが川島は・・

 

川島「黒田 俺はな」

「あのとき 死んだほうが 良かったと 思っとる」

 

黒田「そんな・・・・・・」

 

生き残ったことへの思いが対照的な二人。

どちらにしても、戦時中の体験は色濃く残っているようです。

 

黒田「班長殿、日本は本当に負けちゃったんですかねえ」

 

川島「負けたな。ぺしゃんこに負けた」

 

そして故郷があるならそこへ帰れと言い、そっと札束を渡す川島・・

あれよ星屑(12)

あれよ星屑(13)

戦後の日本に何を思いこれからどう生きていくのか・・

死に損ないふたりは再び別れることになったのですが、この後何かの縁なのか、共にここ東京で生活していくことになっていきます。果たして彼らは米軍占領下の日本で、どのように心に折り合いをつけ歩んでいくのでしょうか?

 

 

ということで以上。

久しぶりに惹きつけられた漫画「あれよ星屑」の回でした!

現在3巻まで発売中。因みに2巻からは時間を巻き戻し、二人の戦中編が始まります。続きが気になる一作です!

2017年現在6巻まで発売中です。


ミトコンペレストロイカ

ミトコンペレストロイカ

「ミトコンペレストロイカ」(まん〇画太郎)

”月刊コミック@バンチ”掲載中ファンタジー!?作品。

去年1、2巻同時発売された画太郎先生最新作です。

なにはともあれまずはこちらをご覧ください↓

ミトコンペレストロイカ(2)

1ページ目に記された先生によるお詫び文です。

ゆとり教育への憤懣やるかたない思いがこれでもかと綴られていますね。我が国の近年のリテラシー(識字)の低下は確かにゆゆしき問題であると私も感じます。ただここで注目してほしいのは、先生が自らの名前を変えてまでも若者たちに歩み寄ろうという、正にその温良篤厚(おんりょうとっこう)とした姿にあるのではないでしょうか?彼らが悪いのではない、彼らを生み出したその教育方法に問題があったのだ!私には先生がそのようにおっしゃっているように思えます。

 

さてそれではそんな点も踏まえたうえで、さっそく画太郎先生による新作「ミトコンペレストロイカ」少しみていきましょうか。因みにこの作品は以前”ジャンプSQ”で掲載されていた「ミトコン」がベースになっているのですが、打ち切り大団円を迎えたそうです。なんでかな?それではまずストーリーです。

 

(ミト王国の東の外れ サンビー砂漠に)

(突如 巨大な 箱舟が降り立ち)

 

(中から溢れ出てきた 食欲と性欲がやたら旺盛な エイリアンたちによって)

(男は片っ端から食われ 女は片っ端からレイプされ 都は阿鼻叫喚の 地獄絵図と化した・・・)

 

(しかし たまたま別件で ミト王国最強の 9人の勇者たちが その場に居合わせて いたため)

(エイリアンのボス アンゴルノアは 袋叩きにされ御臨終 下っ端エイリアンは 意気消沈して インポになり)

 

(あっという間に 地上に平和が戻った・・・・・・・・・)

 

 

物語はまずこの60年後から始まります。

ミトコンペレストロイカ(3)

 

編集長「ガ太郎先生・・・」

先生「ハイ!!!」

 

ミトコンペレストロイカ(4)

”なかったことにしたくない‐闇に葬られた9人の勇者たち”という書を携え、出版社にやってきた先生。その内容は大変ショッキングなもので、簡単に説明すると、この国の王女はエイリアンの子を身ごもっていた→つまり今の王はエイリアンとのハーフである→王女はそれを知っていた9人の勇者たちが邪魔→暗殺を考える→でも勇者強い→一方勇者たちはこう考えていた。息子を守ろうとレイプ事件の隠ぺい工作をする王女はこの国にとって必要悪だ。何故ならこの国には数万といる同じような犠牲者がいるからだ・・差別や風評被害をこのまま守る必要がある→自ら身を引き姿を消していく勇者たち→こんな酷い話ってありますか社長!!!(侵略から救ってくれた勇者たちへの先生の熱き思い)←今ここ

 

しかしなんやかやあったあと先生は・・・

ミトコンペレストロイカ(5)

階段をゴロゴロゴロゴロと転げ落ち、着地点にてトラックのドーーーーンそしてちゅど~~んとその命を完します。

 

さてここからが本編です。

物語はそれからさらに40年経ったミト城で幕を開けます。

ミトコンペレストロイカ(6)

ミトコンペレストロイカ(7)

あれ?苺ましまろかな?と思うでしょ?

ハイ残念ミトコンペレストロイカです!

メイド忍者お汁に渡された紙を見て王様驚愕!

ミトコンペレストロイカ(8)

その内容は姫を誘拐したBy怪盗パパンというもの。

そしてこれまた色々あった末に、

ミトコンペレストロイカ(9)

怪盗パパンの娘(左)王女(右)がタッグを組み、7個集めても何も願いごとの叶わない龍の玉を探す旅が始まります!

ミトコンペレストロイカ(10)

道中には凶暴なモンスターがたくさんいますが、

幼女らは手を取りあい何とか先へと進んでいきます。

ミトコンペレストロイカ(11)

ばらスィー先生などいないし、姫の声がアナちゃんの声で再生などしない!

ミトコンペレストロイカ(12)

決してコッポラなどではない!

 

 

ということで簡単な物語紹介でした。

いやーこれびっくりしますよねwこれ画太郎先生が描いてるんだぜ!クソババアも描けてこんな萌え絵まで描けるとか凄すぎます^^;一部では萌え絵オンリーの作品も見てみたいという声もあるとかいうけど、これは確かに納得の画力です。

ただねー問題なのはねつまり画太郎先生が描いているというところでしてねwこの天使のような幼女らがこの後、どうなってしまうのかという結末が怖いんですよねw今現在はまだ連載中のようなんですが、2巻を読み終えた率直な感想として、これ絶対連載止まんなという思いで一杯ですwwというかこの時点で連載止めない”コミック@バンチ”の懐のでかさって凄いと思う^^ということで色々な意味で先が気になる「ミトコンペレストロイカ」の回でした!3巻無事に出るかな?

ミトコンペレストロイカ(13)


アイ(いがらしみきお)

アイ

「アイ」(いがらしみきお)

2011年発売月刊IKKI掲載作品です。

この作品・・個人的に衝撃の一作です。最近読んだ作品だと「あっかんべぇ一休」以来の衝撃!そうこれは今までのいがらし作品(ホラー)とは一線を画した哲学的な作品です。30号は「ぼのぼの」以来、他の氏の作品(ほとんどホラー)も色々と現在進行形で読み続けているんですが、この作品は氏の集大成といえるほどのものだと感じました。

まさかここまで考えていたのか・・と思わされる数々の独白やセリフ。

この作品を読んでいがらしみきおという人に対するイメージが、自分の中でがらんと一変しました。もう「ぼのぼの」の作者じゃなく、生粋のホラー作家としてのイメージへ、あるいはそれ以上の何か。

言いたいことは色々あるけど、その前にまずどういう作品なのか簡単に紹介しておこうと思います。まずは超概要です。

 

(超概要)不思議な能力をもつイサオと、世界について問い続ける雅彦二人の神様探しの旅。

 

普段ならあまり書きませんが各話タイトルです↓

第一話:ここはいったいどこなのだろう

第二話:どんな幸せなことがあったろう

第三話:誰のこともわからない

第四話:きっと誰も見てない

第五話:ゆっくり息をしている

第六話:できるようになったのだろうか

第七話:名前を呼んでいた

第八話:ただ呼吸するだけ

第九話:誰も見てないところ

第十話:そこは真っ暗で

 

それでは内容へ。

 

(イサオは 生まれる前から目が見えていた。)

(だから生まれてはじめて見たものを覚えている。)

(それは天井だった。)

(そして自分の手足を はじめて動かしたときのことも憶えていると言っていた。)

アイ(2)

(母親がイサオを妊娠した時に イサオの父親はどこかに失踪してしまっていた。)

(母親はイサオをどうするつもりだったのだろう。)

(母親が便所の前で死んでいるのを見つけたのは イサオの叔父だった。)

 

(その時のイサオはとても楽しそうに笑っていたという。)

アイ(3)

(庭の雑草の暗がりの中に なにか見つけたのだと言う。)

 

物語の主人公の一人イサオですが、対してもう一人の主人公である雅彦は、家は医者という裕福な家庭環境にあります。

アイ(4)

そんな誰しもが羨む恵まれた生活を送っている雅彦ですが、

本人は常にあることを黙考して苦悩しています。

アイ(5)

(家が医者だからなのかどうか知らないが、オレはいつか自分の心臓も止ってしまうのだと思っていた。)

(毎晩心臓のことばかり気にして、一睡もできないこともあった。)

アイ(6)

(この世は謎だらけだった。)

(オレはなぜ生まれてきたのだろう。)

アイ(7)

アイ(8)

(そしてこの世界ーーーーーー)

アイ(9)

漠然と開かれた世界に疑問を投げかける雅彦。

そんな雅彦はある事件を契機に、イサオに興味を惹かれていきます。その契機とはイサオの叔父さんの首吊り自殺。酒乱でイサオを虐待していたいう噂もあるその叔父さんは、ご神木の一番てっぺんにある枝に吊るされた状態で発見されます。その事は大人たちには自殺と断定される一方、同い年の子供達にはそうは思われず、イサオが殺したんだとイジメの標的にされてしまいます。

 

雅彦(死んだらどうなるのだろう)

(死ぬってどういうことなのか いつか誰か教えてくれるのだろうか。)

(親が?学校で?なにかの本に書いてある? でもだんだんわかってきた)

 

(ほんとはみんな なにも知らないまま生きているのだ。)

 

叔父のいなくなったイサオはその後、栄養失調で倒れているところを発見され雅彦の家へやってきます。しかし、家の中は人の作ったものしかないと言い外で寝るイサオ。尋常じゃない行動ばかりするイサオに、さすがに雅彦も戸惑いが隠せません。そんな中また新たな死亡事件が起きます。それはイサオを率先してイジメていた少年。そしてさらにその後、二人が世話になった担任の先生・・というように身近な人の死が二人の周辺で次々と起きていきます。

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二人はここから様々な人の死に立ち会いながら”トモイ”を探す旅に出ます。

”トモイ”とはイサオが産まれた時に見た何かで、それをイサオは神様だと言います。果たして二人はその神様を見つけられるのか?そして雅彦の世界に対する問いは解決するのか!?

 

という感じが前半の大まかな流れです。

ここからさらに哲学的な話になっていくんだけど、特に2巻の”岡島人間農場”が出てくる辺りはもう凄いことになっていきます。まさか漫画でここまでのものが読めるだなんて考えもしませんでした。この作品のポテンシャル桁が外れてます。こんな作品今まで読んだことないかも・・

 

さてここからはちょっとした感想です。

こんな作品だし読んだ人はどう思ったんだろと、評価も兼ねて色々ネットを見てみました。やはり大方の評判はいいようです。でも感想がなんか物足りない気がしました。この作品はもちろん読む人によって色々思う所はあると思うけど、個人的にまずはずせないのは一話のタイトルにして、雅彦の独白シーンでもある「ここはいったいどこなのだろう。」です。目の前にさも当たり前のように存在する世界。当たり前のはずだけど実は何もそのことを知らない自分。そんな自分の周りで、さも当たり前のように暮らしている誰かたち。そうこの作品の本当の怖さはここにあるんだと思います。

まさに実存そのものがホラーだと言わんばかりですが、個人的にそう思っていた節もあり、作品を読んだ後の衝撃がそれだけ凄まじかったです^^;おっ同じこと考えてる人いたーwwという感じ。それと同時にこの怖さって絶対全員には伝わらんだろうなという一抹の寂しさなども抱えている次第ですが、現象そのものにホラー焦点を当てた本作品・・やはり他作品とは一線を画してると思います。果たしてこれ以上のホラー作品がこれから出てくるのだろうか!?

 

ということで長くなりましたが以上。

超絶ホラー作品「アイ」の回でした!全三巻。個人的殿堂入り作品です。

本当の怖さって身近にありすぎて気がつかないもんなんですよね・・キヒヒ