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好きなゲームミュージックその246

「真怨霊戦記」(PCE)

1995年フジコムより発売のホラーアドベンチャーゲーム。

開発はスタジオWINGという会社が担当しているこのゲームですが、元は88年にPC88で発売された「怨霊戦記」という作品だそうです。本作はその続編ではなくリメイク版のようで、PCエンジンの他にWin95なんかでも発売されているのですが、元々のマイナー作品ということに加えPCエンジン後発作品ということもあって、元作を知っている人ですら本版の発売を知らない人が多いんだそうです。まぁ自分と同じく元作も知らねえよという人が大多数だとは思いますがwこの作品そんじょそこらのホラー作品とは比べ物にならないほどの気味悪さと、謎の没入感を兼ねた稀有な一作だと思います。マイナーとはいえコアなファンもいるらしいですし、とにかく知っておいて損はない作品だと思いますよ。

さてそんな「真怨霊戦記」ですが、こんな独白で話が始まります。

(この世に 怨みの無い方は、ございません)

(人の命が短いばかりに 人の情けも事の善悪も 欲望の限りも)

(悟りの道が遥かなため 人の怨みこの世を怨み 旅立つのでございます)

(その旅立ちすら無念がゆえに この世に残した怨みがつのり)

(死することも生きることも 出来ない姿で のたうちまわり)

(死霊が怨霊と化して この世に満ち溢れている事でございます)

(誠この世は 怨霊の群れの渦に 巻かれた姿なれど)

(不幸にも人は その姿見えず 業のさだめの為か)

(生ある人は怨みを 生み続けているのでございます)

(あな恐ろしや遥か この世は本当に地獄の姿に化するのでございます)

 

以下、簡潔なあらすじです。

ストーリー:とあるプログラムを1年がかりで完成させた北原弘行は、その疲れを癒すために夜風にあたっていた。すると突然、頭に針を刺されたような痛みがはしりその場に倒れてしまう。すぐに気がつき体を引きづるように自宅のマンションへ向かうことにする北原だったが、そこで黒マントを着た妙な男と出くわす。男はこちらに次第に近づいてくる、男の背後に妙な生き物がいることに気がついた。人間ではない、犬でもない。すると急にその化け物が飛びかかってきた。次に目覚めると彼は病院に収容されていた。医師に野犬に噛まれたと診断された北原はこれに納得が出来ず、大学の精神科に勤務する友人を訪ねることにする。催眠療法によって自分の見たことが確かであると確信した北原は、自分の見たものが何だったのかを調べるため、町へ調査に出かけることにした。

こんな感じで物語が始まっていくのですが、これにキャラクター、ビジュアル、BGMなどが合わさって妙な世界感が出来上がっています。個人的に初期メガテンが頭に浮かんだんですが、あの雰囲気が好きな人はハマるかもしれません。開発のスタジオWINGという会社は一癖あるホラーやサスペンスで有名なゲーム会社のようですが、シリアスな内容の反面ものすごいギャップも持っていて、しばしばギャグ狙いなのかと思うほどのセリフや物語展開も楽しめます。例えば調査中に通行人に前置きもなく「悪霊について何か知りませんか?」と急に話しかけたり、どう見てもうさんくさい祈とう師に1万円払って除霊してもらったり、悪霊探しついでにスナック街を練り歩きママの前でひと歌披露したりなどなどww数えたら切りがないほどツッコミ箇所が出てきます。恐らくこういう部分も含めてコアなファンがいるんでしょうねw

さて、肝心のBGMですが残念ながらPCエンジン版のサントラは今のところ上がっていません。なのでリンクが張れないのですが、この作品、元のPC88版の出来が秀逸なんですよね、ということで代わりにそちらのリンクを貼っておきます→https://youtu.be/a36Yu50_BK0

作曲は武田昌治さんと宗野晴彦さんの2人が担当、両名とも他の同社の作品BGMにも関わっているようです。残念なのはPCエンジン版の曲は会話時にぶつ切りになってしまうとこですね、おまけに何故かテキストと声のセリフが度々違うという問題も発生しているし、声優陣がいい仕事しているだけにここは本当もったいないと思いました。逆にWin95版の「真怨霊戦記」だとその部分は解消しているんですが、作品の元々持っていたおどろおどろしさが無くなってしまっていて味気ないものになっています。せっかくのリニュアール移植なのに・・結局のところトータルするとやはりPC88版がいいのかもしれませんね(これはこれで問題あるけど)

因みに自分は同社の他の作品も気になって87年発売の「波動の標的」(PC88)も覗いて見たのですが、こちらも独特なおどろおどろしさがあって楽しめました。ユーチューブだけでなく、ニコ動にコメつき動画もあるので気になる方は是非どうぞ、ツッコミが追いつかないぐらい面白いですよw

最後にこちらのサイトが色々と参考になったのでリンクしときます。同社ファンクラブの方のサイトだと思うのですが、スタジオWING作品の貴重な制作裏話が書かれています→http://stwing.web.fc2.com/enigma/enigma.html

会社の成り立ちから「怨霊戦記」制作時の謎の心霊現象?まで、現実もかなりヤバいことになっていた話が面白いですwちらっと諸星大二郎作品なんかのタイトルも出てきてニヤニヤしてしまいましたし、それからスタッフ全員超能力者説はさすがと思いました。

 

ということでかなりの長文になりましたが、以上、好きなゲームミュージックその246「真怨霊戦記」でした!同社の作品はプロジェクトEGG内でダウンロード出来るみたいなので、実際にプレイしたい人はそちらの方が手っ取り早いかもしれません。どれも普通に手に入れようとするとプレ値がついているようです。

 

 

 

マメ:作品内の誤字脱字はたぶん怨霊のせいに違いない(霊的に白目)

最近読んだ過去作品

最近読んだ過去作品3点はこちら↓

ぼくとフリオと校庭で&諸怪志異

諸星大二郎作品の「ぼくとフリオと校庭で」「諸怪志異」です。

まずぼくフリの方ですが、全10作品の短編集となっております。中身は「方舟が来た日」「難破船」「鎮守の森」「ぼくとフリオと校庭で」「沼の子供」「流砂」「黒石島殺人事件」「城」「蒼い群れ」「影の街」で、色々なジャンルの話ですがどれも不思議な話ばかりで面白いです。個人的には柳田国男の影響を受けた、鬼ごっこを題材とする「鎮守の森」や、UFOが見えると言ったり念力が使えるとホラを吹く不思議な少年フリオの話「ぼくとフリオと校庭で」や、カフカを思い出さずにはいられない、会社をたらい回しにされる商社マンの話「城」や、臓器を切り売りして生きていく不況時代の話「蒼い群れ」なんかが良かったかな。どれも面白いですけどね^^

さて「諸怪志異」の方です。

これは中国古典を基にした諸星先生のオリジナル話です。五行先生(道士)とその弟子阿鬼の登場する話が中心で、怪異談を始めとした色んなジャンルの話が楽しめます。読んだら分かりますが、五行先生の安定の安心感が半端ないですwオリジナルだけどもしかして本家より面白いのかもしれません。残念ながら掲載誌が無くなってしまったので、4巻ストップみたいですけどね。

ラストはこちら↓

夜長姫と耳男

「夜長姫と耳男」(近藤ようこ)です。

元は坂口安吾氏(堕落論や白痴でお馴染み)の小説作品なんですが、意外にこの作品知らない人多いかもしれません。というのもむかーし文庫で小説出てたみたいですが、それ以来全く再販されてないようです。なんでこれだけの名作が再販されないのか不思議でしょうがありませんが、一応今は電子書籍で読めるようにはなったみたいです。図書館で全集借りずにパパッと読めてしまう時代って凄いですね^^安吾さんが今の日本見たらなんて言うかな?

話を戻しまして内容ですが、カンシャクもちで小心者の耳男(職業匠)が、何の因果か美しいと評判の長者の娘、夜長姫の為に仏像を造るというお話しです。これだけ聞くと普通の話にしか聞こえませんが、まさかここからあんな事になっていくなんて思いもしないわけです(;゚Д゚)ここまで背筋が凍る作品って中々無いんじゃないかと思いますよ。漫画は近藤洋子さんですが、これもやっぱり良いです。以前紹介した「五色の船」もそうですが、小説の漫画化が上手いです!凄い難しいことだと思うんですけどね、いつもの如く魅力的な絵とともに読ませます。

原作も漫画も読んでいる身としては、小説から読んでもいいし小説の前に漫画を読んでも全然楽しめるレベルだと思います。でもやはり小説で読んだ時のあの背筋が凍るような恐ろしさを体験したい人は、まず原作から入った方がいいかもしれません。そこで安吾さんの凄さを思い知ってほしいですねw

ということで久しぶりの最近読んだ過去作品でした!今気づいたけど両作品とも怖いやつじゃん(>_<)

東京タラレバ娘

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「東京タラレバ娘」(東村アキコ)

”Kiss”掲載のアラサー大パニック作品。

「ママはテンパリスト」や「かくかくしかじか」でお馴染みの東村作品。2017年にはドラマ化もされるそうで、これからさらに人気が出てくるであろう1作です。内容は帯に書いてあるけど”目をそらすなかれ!待っていて幸せがくるのは25歳まで!”の通り、いわゆるアラサー女子奮闘記です。でもこの作品が面白いのは、一見奮闘記のように見える結婚までの道のりを「そんなんだからだめなんじゃーい!!」と客観的に突っ込んでくれるところだと思います。女子会に切り込む東村名言に三十路未婚女子ライフゼロ必至です。ということで、今回はそんなアラサー大パニック作品の1話を簡単に紹介してみたいと思います。

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 第4出動と称した女子会に集う3人(高校からの親友)

左から主人公の倫子(脚本家・33歳独身)香(ネイルサロン経営・独身)小雪(居酒屋店員・独身)3人は小雪の働く店で頻繁に女子会をやっています。

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今回第4出動(緊急)で集まった故は、昔倫子が振った男が再び言い寄ってきているというもので・・

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プロポがくるとかこないんじゃね?とかの話で盛り上がっているのですが、お酒がまわってきたのか、食べていたレバーと白子が話しかけてきます。

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 この先を心配するレバーと白子。しかし倫子は言い寄る男に興味がないと話します。その言葉を聞き「そんなこと言ってる場合じゃないっタラ」と白子が諭してきます。

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 もし彼を逃したら・・・

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 注:この作品はヒューマンコメディとして楽しめますが、大方の三十路勢にはホラーとして映る場合がございます(30号)

さて、レバーと白子に熱心に諭されたおかげか、倫子はお洒落服に着替え言い寄る彼に会いに行きます。その結果がこちら↓

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 (プロポ予定男)結婚前提で付き合おうと思っている子(若い)がいるんだけど、この若い子向けの指輪どうですかね?想像してたのと違う告白をされましたw

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日本の男はみなロリコン説を唱える香。それがそうなら三十路それはそれでやばいw話はさらにヒートアップしていくのですが、そんな中一人の客からこう吐きかけられます。

 

客「いいかげん うるさいよ こないだから」

「さっきから 聞いてりゃ 女子でもねえのに 女子会だの 現れてもねえのに いい男と結婚だの・・・」

「ったく感心するよ・・・いい歳して「痩せたら」だの「好きになれれば」だの 何の根拠もない タラレバ話で よく そんなに盛り上がれるもんだよな・・・」

「オレに言わせりゃ あんたらのソレは女子会じゃなくて ただの・・・行き遅れ女の井戸端会議 だろ」「まあいいよ そうやって 一生 女同士で」

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 「この タラレバ女!!」

言うだけ言って気分を良くしたのか店を出る客(イケメン)このイケメン(ドS)がこれから彼女たちに警句をばっしばし浴びせていきます。これが的を得ているから痛快で気持ちいいんですよ。さあ果たして彼女たちはエンドレス女子会から抜け出すことが出来るんでしょうか!?そしてこれを読むアラサー女子は何を思う!!?

 

以上。「東京タラレバ娘」の回でした!

三十路男子が読んでも色々思う所がある1作。

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