タグ別アーカイブ: 不思議

WHO!超幻想SF傑作集

WHO!超幻想SF傑作集

「WHO!超幻想SF傑作集」(佐々木淳子)

いずれ読もうと思っていたシリーズです。

1981年初版発行というだいぶ昔のSF短編集なんですが、これが今読んでも面白かったです。残念ながら絶版のようなので、なかなか手に入りにくいけど、未読の方は一見の価値ありなので見つけたら買っちゃいましょう!

さて本作ですが、全部で7作品収録されています。

簡単に紹介してみましょう。

 

「赤い壁」(コロネット”80年夏の号)

「恐怖のワンモア」(週刊少女コミック”78年29号)

「メッセージ」(週刊少女コミック”79年9月30日号)

「ミューンのいる部屋」(週刊増刊少女コミック・デラックス”78年冬の号)

「母はやさしくほほえんで」(週刊少女コミック増刊”79年2月25日号)

「WHO!」(少年/少女SFマンガ競作大全集”80年part7)

「リディアの住む時に」(週刊少女コミック増刊”78年5月3日号)

 

カッコ内は雑誌掲載時のものなんですが、全く知りませんです^^

それはそうと、この7作品の中で個人的に気になった作品はこちら↓

「赤い壁」

赤い壁

いつもよく見る夢の中、少女はふとした好奇心からそれ以上行ってはいけないという場所へ歩を進める。そこで彼女が見たものはどこまでも続く”赤い壁”だった。

赤い壁(2)

夢の端まで来た少女はさらに壁の向こう側へと進もうとする。

壁の向こう側の一面に広がる濃い霧の中を抜けると、そこに突然現れたのは友人だった。なんだいつもの夢か・・と落胆する少女。しかし次に目を覚ました時、彼女の意識があったのはいつもの場所ではなく友人の中であった。

というお話。夢の中で人々の意識が繋がっているというのが面白いですよね。その他色々考えさせられる作品だと思います。(私とは何なのかとか、集合的無意識とはとかね)

 

さてお次です。

「ミューンのいる部屋」

ミューンのいる部屋

母子家庭の少年フィルと謎の少女ミューンのお話。

ミューンのいる部屋(2)

寂しさのあまり幻を相手にするフィル。

自分には見えても当然母親には見えず、全く相手にされません。そんな中突然現れた少女ミューン。彼女には何故かフィルが作り出す幻が見えます。そのことで二人は一気に仲良しに。

ミューンのいる部屋(3)

11歳になりフィルは母親の両親の元へ預けられます。

そこで年上の女学生アナイジ—と仲良くなってゆくフィル。しかしそれと同時に幻を作り出せなくなっていきます。そして困惑するフィルをさらに不安にさせるアナイジ—の一言。「だって あたしたちには見えないもの」幻ではないはずのミューンさえも家族の誰にも見えていないという衝撃。

果たしてミューンとは一体何なのか!?

現実と幻が交錯する不可思議な一作です。ラストは圧巻!

 

さてお次で最期です。

「WHO!」

WHO!

本書のタイトルにもなっている「WHO!」です。

本作は超ショートショートの4ページ作品。

自転車から転げ落ち意識を失ってしまった少年のお話です。意識を取り戻した少年は街へ向かうのですが、そこにいるはずの人々が全く見つかりません。人っ子一人見つからずとうとう夜明けを迎えてしまった丁度その時、少年は一人の女性の姿を見つけ声をかけます・・そしてあることをしてもらった瞬間、目の前に瞬時にいつもの人びとの光景が戻ってきます。何をされたかは読んでのお楽しみ^^元には戻ったけどモヤモヤが止まらない一作です!

 

ということで、一部抜粋紹介でした。

紹介してませんが、その他の作品も面白いですよ。色々考えさせられます(^-^)以上「WHO!超幻想SF傑作集」でした!

これを機に他の佐々木作品も読んでみようと思います。

瓜子姫の夜・シンデレラの朝

瓜子姫の夜・シンデレラの朝

「瓜子姫の夜・シンデレラの朝」(諸星大二郎)

Nemuki&Nemuki+掲載作品。

日本、中国、西洋の民話やメルヘンをモチーフにした短編集。

 

これを買ったのは「瓜子姫とアマンジャク」の続きが読みたかったからなのですが、タイトルが違うので正直ちょっと迷いました^^;

瓜子姫の夜・シンデレラの朝(2)

5作品ある内の一番目を飾っています。

未来の吉凶を占う巫女の瓜子姫と、精霊たちと共に森に棲むアマンジャクのお話。

瓜子姫の夜・シンデレラの朝(3)

やっぱり惹きこまれますね。これはもう続きはないのかな?続きがあるような終わりかたなので気になります。

詳しい詳細はネムキを読んだ回でどうぞ→ネムキ(2)

 

さて、その他の4作品はこんな感じです。

瓜子姫の夜・シンデレラの朝(4)

「見るなの座敷」

どう考えても自分にはもったいないほどの女房・小夜。彼女が来てから全てが順風満帆だった。ただあまりに事がうまくいきすぎて、村人からは彼女が化け物か狐なのではないかと訝しまれていた。実は当の本人与兵衛も考えるところがあり・・・鶴の恩返し的な話しですが、戸を開けると凄いことになります^^;小夜とは一体何なのか!?

 

お次です。

瓜子姫の夜・シンデレラの朝(5)

「シンデレラの沓」

グリム童話「シンデレラ」がモチーフの作品です。

沓を失くしたシンデレラが、お城の中を探し回るというちょっとした冒険記なのですが、まさかの変態エンドで大団円w結末も良いですが、そこに行き着くまでの道中がハチャメチャで面白いです。

 

4作目はこちら。

瓜子姫の夜・シンデレラの朝(6)

「悪魔の煤けた相棒」

冒頭の「あなたは・・・誰?」という女の問いに「俺か?俺は悪魔の煤けた相棒」「そして ”自分の王様だ”」のセリフが格好いいです。悪魔と契約した男の話なのですが、悪魔が主導権をもって人間を貶めていくよくある関係ではなく、タイトル通り相棒といった感じで二人のやり取りが新鮮でした。

瓜子姫の夜・シンデレラの朝(7)

仕事場は地獄。そこにある無数の釜に火をくべるのが彼の仕事。

釜の中は決して覗いてはいけないらしい。

瓜子姫の夜・シンデレラの朝(8)

 

さてお次でラストです。

個人的に5作の内で一番のめり込んでしまったこちらの作品!

瓜子姫の夜・シンデレラの朝(9)

「竹青」

太宰作品にも同タイトルのものがあるらしいですが、元は中国の短編小説集(聊斎志異‐りょうさいしい)のようです。

瓜子姫の夜・シンデレラの朝(10)

 

瓜子姫の夜・シンデレラの朝(11)

物語は科挙の試験を受けるために上京したものの、その試験に落ち、帰りの旅費も尽いて立ち往生している魚客(ぎょかく)の呟きから始まります。

一時は物乞いも考え絶望の淵にいた魚各ですが、ここで一人の女性に救われ彼は呉王の元に連れていかれます。

瓜子姫の夜・シンデレラの朝(12)

呉王の計らいで”黒衣隊”という隊に任命される魚各。

果たして黒衣隊とは!?

瓜子姫の夜・シンデレラの朝(13)

何と黒衣を羽織るとカラスの姿に変身!

これは私も一着欲しい^^それはそうと黒衣隊とはこういう存在のようです↓

 

(私はそれから カラスたちの 仲間になって 気ままに暮らす ようになりました)

(気ままとはいっても 私たちは呉王様の お使いのカラスなので それなりに仕事はありました)

瓜子姫の夜・シンデレラの朝(14)

という国を守るお仕事なのですが、基本的にはのんびりだそうです。

そんな黒衣隊に魚各が配属されてからしばらく、再び命の恩人でもある竹青に出会います。そこである事件のことを尋ねられる魚各。その事件とは三年前、漢陽で鄭(てい)という一家が召使いもろとも惨殺されたというもので・・何故彼女がそんなことを訊いたのか?魚各は気になりこの後彼女の後を追いかけます。そして知らされる真実。何故、竹青は黒衣隊に入隊したのか!?ここからが面白くなっていきます。「西遊妖猿伝」のような冒険活劇が好みの人に特におススメ!

 

 

ということで、「瓜子姫の夜・シンデレラの朝」簡単に収録作品を紹介してみました。やっぱり諸星作品面白いですね^^まだまだ読んでない作品もたくさんあるので、個人的に少しづつ読んでいきたいと思います。

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション

「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」

(浅野いにお)

”ビッグコミックスピリッツ”掲載中、少女×日常×デストピア作品。

「おやすみプンプン」が、全13巻で幕を閉じてからの作者最新作です。

 

この作品何とも不思議な魅力があります。

女子高生の日常を主軸とした青春ものなのですが、それだけで説明できるほど単純な物語でもなさそうです。ヒロインの性格もあってか何だかフワフワした世界観が印象的なのですが、ところどころ現実的な風刺を散りばめたようなシーンもいくつか散見できたり、社会的メッセージを押し出した作品のようにも感じます。例えばあの謎の円盤・・あれは何かを象徴しているのではないでしょうか。今の現実的な日本の問題が投影されているような、そんな気持ちにさせられます。

ということで、今回はそんな本作の序盤紹介を簡単にしてみたいと思います。

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(2)

本作のヒロイン小山門出(こやまかどで)

”イソベやん”という漫画↓が好きで、グッズも所有するほどのファン。

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(3)

どら〇もん的なアレですが、

色々ギリギリな気が致します。

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(4)

そんな門出の親友↑中川凰蘭(なかがわおうらん)

通称おんたん(黒髪ツインテール)いかついチャリンコにまたがり颯爽と登校するおんたん、いずれ世界を滅ぼす夢を持っています。

 

(校内)

おんたん「・・・仮に この世の中が、」

「すべて アメリカの 陰謀でできてるとするならば!!」

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(5)

陰謀論を友人らと語らうおんたん(一通)

ありきたりの日常を持て余している様子です。

 

さてそんな一見どこにでもあるような学生の日常ですが、

実はこの世界は・・・

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(6)

侵略者”と呼ばれる謎の円盤が上空に居座る、

異様な状況の真っただ中!

事の発端は門出らが中学生の時、円盤が東京湾上空に突如現れ、その影響で死者8万人以上という未曽有の惨事が起こってからなのですが、それ以来円盤は特に攻撃するような気配も見せず、ただ上空に停止しているだけ。この状況が大学受験を控える門出の年まで解決なくずっと続いています。

 

 

でもそれはそうとして・・・

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(7)

進路を決めねばならぬ超現実的問題がそこにある!

家庭の事情で大学進学を諦めて働く気の門出↑

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(8)

そしてもちろん友人らと恋ばなを咲かせたり摘んだり、上空に未知の物体がいようがお構いなく青春を謳歌しています。

 

未曽有の惨事が起きて以来、円盤は上空にあれど全く事件らしき事件も起きない毎日。再び普通の日常に戻ってしまった世界を門出はこう考えています。

 

(大人の偉い人たちは、)

(「あの日」から何もかもが変わってしまったと言っていたけれど、)

 

(私はむしろ、何も変わらないその日常が少し不満であって)

 

(ーーーーでもそれはそれで ひとつの幸せだったんだと、)

 

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(9)

意外に大人な門出さん!

このあと帰ってゲームして2ちゃん見て就寝します。

 

 

という感じで物語は始まっていくんですが、さて上空に浮かぶ謎の円盤は再度日本を攻撃してくる時がやってくるのでしょうか?はたまた全く何事も起きずたんたんと日常が過ぎていくのでしょうか!?続きが気になる一作です!

 

以上「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」の回でした。

現在2巻まで発売中!