これも面白い(11)

「人間仮免中」(卯月妙子)

このマンガが~ほにゃらら2013の男部門第3位の作品です。

全く知らない作品だったので気になっていたのですが、最近ようやく購入して読了しました!普通のコミックより結構分厚いのですが、この分厚さは作者の卯月さんの壮絶な人生の一部が散りばめられています。そうこの作品は卯月さんの自伝的漫画です。もう既に名の知れた方になっているようなので、プロフィールなんかは知ってる人も多いかと思いますが、とりあえず載せてみます。

卯月妙子

1971年、岩手県生まれ。20歳で結婚。しかし程なく夫の会社が倒産し、借金返済のためにホステス、ストリップ嬢、AV女優として働く。排泄物や嘔吐物、ミミズを食べるなどの過激なAVに出演。カルト的人気を得る。その後夫は自殺。幼少の頃から悩まされていた統合失調症が悪化し、自傷行為、殺人欲求等の症状のため入退院を繰り返しながらも、女優として舞台などで活動を続ける。さらに自伝的漫画「実録企画モノ」「新家族計画」を出版し、漫画家としても活躍。2004年、新宿のストリップ劇場の舞台上で喉を切り自殺を図ったことでも話題に。

という感じなのですが、凄まじいプロフィールですね^^;
30号も本を読む前にこのプロフを見ていて、一体どんな作品書いたんだろ?と、正直怖いもの見たさ半分で手に取りました。しかし読んでびっくり・・そういうんじゃなかった!

この作品は統合失調症の卯月さんと、居酒屋で知り合ったかなり年上のボビー(付き合うことになる)を中心とした日常を描いているのですが、151ページまでのタイトルが「人間仮免中」となっていて、症状を抑えるためにかなりの量の薬を飲みながら生活する卯月さんと、それを支えるボビーの話となっています。二人は基本的にすごい仲がいいのですが、卯月さんは症状のせいでかなり突発的な行動をとったりだとか、ボビーの方は癇癪もちのため突然怒り出したりするので、二人はあらぬ事から度々ケンカをしてしまいます。

まぁケンカくらいどこの恋人も夫婦もするとは思いますが、この二人のケンカは予期せぬ結果をもたらします。ある時はボビーが他の男との仲を疑って突っかかり、それにキレた卯月さんがビール瓶を割って自分の首を切ったり、またとあるケンカのために起こる151ページ「歩道橋バンジー編」での飛び降り自殺など・・一度火がついたらもう何が起こるか分からない、そんな中で二人はお互いに必要としあいながらなんとか進んでいきます。

「歩道橋バンジー編」は、飛び降り自殺後のお話。
顔面を複雑骨折しながらもかろうじて命をとりとめた卯月さんが、子供を産む時よりも痛いというほどの痛みに絶えながら、多量の薬を投薬されつつ退院するまでの姿が描かれています。不謹慎かもしれませんが、薬によって様々な幻覚症状が描かれる部分は見ていて面白かったです^^;

だれだっけな?こういう体験をした作品は以前にも読んだことがあるのですが、卯月さんが見た幻覚症状は存在しないいじわる看護婦や言葉舌ったらずな病院の先生(妖怪先生)など、もはやコメディのような人物が登場する世界になっていますw当の本人も苦しい投薬治療をしながらも、何も出来ない(することができない)病院生活の中で、そんな幻覚劇場を楽しんでいたりする、中盤はそんなちょっと不思議な回になっています。

そして後半は退院してから少しずついつもの日常を取り戻していくお話です。
色々な人に助けられながら何気ない日常の中で生きる事に感謝し、幸せを感じていく姿が描かれています。一見ハッピーエンドのように見えなくもないですが、今までずっと何があっても助けてくれていた母が、あることをきっかけに鬱病になってしまったりと、起こしてしまった事の代償が色々な部分で現れてきます。

読み終わった後の感想としては、とりあえず二人が仲良く生活してればいいなといったところですかね。何だか読み終わった後の満腹感がスゴイんですがwこれ漫画なんだよな^^;小説読み終えたような感覚です。
ということで以上ですが、気になった方はどうぞ読んで見てください。このマンガがほにゃらら第三位なんて読みたくないな~って人も多いとは思いますが、この作品の場合は見逃すのはもったいないと思いますよ。

それでは「人間仮免中」の回でした。
う~んよーく考えたら壮大なのろけ話なんだよな~むむむ・・^^;

 

追記:2016年に続刊が出ました。「人間仮免中つづき」続きが気になる人必見です!